三麻は守備力が大事なので、アガる気がそれほどない時や、巡目が中盤以降で相手からリーチが入りそうな時などに、自分のテンパイ速度は落ちるがあえて字牌を残して戦うという方法があります。点数のやりとりをするゲームなのでアガることが大事ですが、状況によっては1位を死守するために守備力をあげて、あえて字牌や安全牌を残すことがあります。もちろん相手にアガらせないために、自分がアガリきるのも大事なので、言い換えれば「手を壊すことなく安全牌も持っておく」ということです。
例えば下のような手の形があったとします。
①
リャンメンが2つのイーシャンテンで、安全度の高い字牌を1枚抱えている。ここでを引いた時に
という形で持って安全牌の
を切ればアガリ率は高くなりそうだが、放銃率も上がる。ましてや、もう一度
を引いてテンパイしてもドラの
を切ることになり、手が安いし放銃した時にダメージが大きくなる。それを避けるためにあえて①の形に構えるのである。
さて、これを他の手牌にも応用してみよう。つまりイーシャンテンのときだけでなく、常にシャンテン数と同じだけ字牌や安全牌を持つ、という意識を持ってみるのだ。
②
③
④
②はリャンシャンテンで2枚、③はサンシャンテンで3枚の字牌を抱えている。この構えでいれば、自分の手が進まないうちに相手の攻撃を受けても安全牌に困ることはない。手が進むにつれて安全牌は減っていくが、そのぶん三人麻雀は四人麻雀より牌が少ないのでリスクに見合う手になっているはずである。全力でアガリに向かうだけならば③よりも④のほうがアガリは近いはずだが、安全性という面では④は③に大きく劣る。少し手は狭くなるが、を
に変えるだけで、攻めるにも守るにも困らない優れた手牌になるのだ。
この「シャンテン数と同じだけ字牌や安全牌を持つ」というのはメンゼンの時だけに限らない。
⑤ 出
⑥
⑤でも同じである。安全に戦いたい局面だったとしてもを鳴かないのではちょっと弱気だ。この
が1メンツになった時点で役も確定し、アガリ率は極端に上昇するのだからポンしてみよう。かといってすぐに字牌を切ると危険な手牌になってしまうので、そこから
を切るのである。すると、ドラの
を使いきれるリャンシャンテンで安全牌が2枚あるという⑥の形になる。この後
や
などをツモってきてもツモ切りで構わない。②と同じような感覚で無理せずアガリに向かえばよいのである。
もちろんこれは安全に進めたい局面での話で、もしや
がドラであれば遠慮する必要はない。リスクを負う価値のある手牌なので、字牌から切って全力でアガリにいこう。
このような手順もあると覚えておけば、より一層麻雀が強くなります。
ありがとうございました。